*18世紀後半、3つの変化が、今日の我々の生活まで影響を及ぼした。
産業革命   =手工業から機械化へ。資本主義
 アメリカ独立 =近代民主政治の基本原理を表明
 フランス革命 =民主主義の国民国家の波及
1780年〜1801年になってもイギリスの国民生産の年成長率は1.3%程度しかなかったとされている事は、傾聴に値する。
 





◆18世紀イギリスの産業革命 
 産業革命は突然イノベーションが起きてイギリスを豊かにさせたわけでは無い。
 産業革命を準備したのは大きく分けて3つの要素。
 「元手(資金)」   →三角貿易や海外植民地への「毛織り物工業」の輸出で儲けた 
 「売り場(市場)」  →国内のみならず、植民地含め、海外需要もしっかり確保
 「働き手(労働力」 →※第二次囲い込みによる大量の失業者

  ※第二次囲い込み…生産性の向上のために、「三圃制」から「4輪作法(ノーフォーク農法)」へ移行。それに伴い農園の統合=大規模化が合法的に行われ、自作農民が大量に失業者となった。

◆機械の発達
 ●綿織り物工業
    飛び杼(ひ)によって綿織り物が増産 
→ 糸が足りない
  → 紡績機(ぼうせき)の開発  
→ 糸が多すぎ
  → 力織機(しょっき)

 ●動力 それまで水力が頼みだった機械の自動運転。しかし、川べりにのみ工場を設置しなければならないなど不都合が大きかった。
 ニューコメンが蒸気機関を発明 : 上下運動
 ワットが改良         : 左右、円運動その他

 *飛び杼より蒸気機関の方がよっぽどすごい。ニューコメンの10mを越す大気圧揚水機は、まさに必要は発明の母。それと、歴史の積み重ねがいかに大事かを感じさせられる。真空による大気圧の力がわかっていなければ、できない。
 また、その後のジェームズワットの改良型は、イノベーションの本質を教えてくれる。0から1は、利益が無い。1〜10にして、あの小型の美しい蒸気機関ー復水器を分離した上下運動が両方ともに動力源となる蒸気機関を発明したのだ。

 ●製鉄
 ダービー父子がコークス製鉄法を開発。コークスとは不純物の無い石炭のこと。鉄=石炭+鉄鉱石なので、よりいい鉄が作れるようになった。
 ●交通機関
 スティーヴンソンが蒸気機関車を発明。これはでかいね。