安永 義夫
金星堂
1995-01

『The Luncheon』by Somerset Maugham ⑧

「あら、たくさんお肉を召し上がられたので、もうお腹いっぱいになったようね」ーー私の皿の上には一切れぽっちの僅かながらの肉が残されていた。ーー「だからこれ以上食べないのね。私はほんの少ししか食べていないから、これから桃をいただくわ」

勘定書が来て、そしてその支払いをしようとしたときに、自分はチップにするに関しては足らないわずかなお金しか持っていなかったことに気が付いた。
彼女は、私がウェイターに残してやったチップの3フランをほんの一瞬じっと見た。私をケチだと思ったに違いない。
レストランを歩いて出るときに、まだ丸々一月あるのにもかかわらず、ポケットには1ペニーも無い状況になった。

「私を見習えば、」握手をしているときに彼女は私に言った。「昼食には一品だけを食べるのが良いわよ」
「僕はもっと良いことをするよ」私は言い返した。「今日は晩飯を食べないさ」
「面白いわ!」彼女はタクシーに乗り込みながら、嬉しそうに大きな声で笑いながら言った。「あなたってほんとうに面白いのね」

しかし、ついに雪辱の機会を持てるようになったのだった。
私は決して自分が執念深い人間では無いと思っている。だけれども、不滅の神が、復讐に参加するとしたら、復讐の結末に自己満足を持って観察をすることを、自分に容赦することができるのだ。
本日、彼女の体重は127キロになっている。(6.35キロの石21個)one stone = 14 pounds = 6.35キロg