『The Last Leaf』by O.Henry ⑩

「あんたも女ってわけだ!」ベアマンさんが大声で言った。「誰がモデルにならないだって?行くよ。君についてくよ。30分の間、モデルをするだけの準備はできていると、言おうとしていたよ。ここはジョーンジーみたいに素敵な少女が病気で寝込んでしまうような、そんな場所じゃないよ。いつか私は傑作を描くんだ、そしたら私らは皆んなここを出て行くんだ、そうなんだ!」

二人が上の階に着いた時には、ジョーンジーは寝ていた。
スーは日除けを窓の敷居まで下ろして、ベアマンさんを別の部屋へと呼んだ。そこで二人はビクビクしながら窓の外にあるツタの葉を見た。
二人はしばし、話すことなく、顔を見合わせた。
ひっきりなしに、冷たい雨が降り続き、そしてみぞれまじりになっていました。
ベアマンさんは、古い青いシャツを着ていて、世捨て人の炭鉱夫のように、ひっくり返されたヤカンを岩のようにみたてて、座った。

次の朝、一時間の睡眠からスーが目を覚ますと、ジョーンジーが疲れ切って、大きく見開いた目で緑の日除けをじっと見つめている様子を見た。

「日除けを上げてちょうだい、見たいのよ。」ジョーンジーは囁くように命じた。

スーはしぶしぶ従った。

だけども、見よ!打ち付ける雨と激しい風が、一晩中続いたその後も、ツタの葉が一枚レンガの壁にくっきりとまだ残っていた。それはそのツルに残っていた最後の一葉であった。
茎はまだ濃い緑だったけれども、崩壊と腐敗の黄色でもって薄く色づいたギザギザの葉の淵の方は、勇敢にも地上20フィートほどの高さにある枝にまだぶら下がっていた。