『Cat in the Rain』by Ernest Hemingway②


アメリカ人の妻が、窓際に立って、外を眺めていた。

その窓の真下、雨の雫が滴り落ちている緑のテーブルの下に、猫が一匹うずくまっていた。

猫は体を小さくして雫がかからないようにしていた。

下に行ってあの子猫を連れてくるわ」とアメリカ人の妻が言った。

「僕が行くよ」ベッドから夫が言った。。

「いいえ、私が行くわ。可哀想なあの猫ちゃん、テーブルの下で濡れないようにしてるわ」

夫は読書を続けた。ベッドの裾の方で二つの枕を支えにして、寄りかかったままで、読書を続けていた。

「濡れないようにするんだよ」と夫が言った。

下に降りて行った。アメリカ人の女が事務室を通り過ぎるその時に、ホテルのオーナーが立ち上がって、一礼した。

事務室の奥に彼のデスクがあった。

オーナーは年老いていて、かなり背が高かった。

「雨が降っていますわね」と妻が言った。

彼女はそのホテルのオーナーのことを気に入っていた。

「奥様、酷い天気ですね」

薄暗い部屋の奥にあるデスクの後ろに彼は立っていた。

妻は彼のことが好きだった。

妻は彼がどんな苦情も受け入れる恐ろしく真面目な真剣な様子が好きだった。

彼の威厳が好きだった。彼女は、彼が彼女のために働いてくれようとするところが好きだった。

自分がホテルの経営者として自覚している様子が気に入った。彼女は彼の年齢を重ねたヘヴィなフェイスと、大きな手が好きだった。