マンスフィールド『The Little Girl』
Katherie Mansfield キャサリン・マンスフィールド 
『The Little Girl』
第12回(6)

【まとめ】
・トラウマ発生
・隣のマクドナルドさん
・十把一絡げだった「父親」が「それぞれの父親」へと解放される。物語の終わりで、キザイヤにとっての彼女の父親自体も、「様々な事情のある一人の父親」という、一人の父親の中の多様性も見出したのではないか?つまり、「多様な父親」を実態として受け入れた時、「一人の父親(のみならず他者)の中にある多様性の存在を発見する(ちょうど胸の鼓動を聴いて)」
 =第12回「多様な父親の発見」→第14回「『私の父』の中の多様性・個別性の発見」



【日本語訳】
 何時間か経って、お婆さんがショールでもって女の子を包んでそれからロッキングチェアで優しく揺すってくれた時に、女の子はお婆さんの柔らかい体にぴったりと寄り添っていた。
 「神様はなんのために父親なんてものをお創りになられたのかしら」女の子はすすり泣いた。
 「さあ、綺麗なハンカチがここにあるからね、私のラベンダー香水を付けてあるんだよ。おやすみなさい、いい子ね。;朝になったら、何もかも忘れているからね。お父さんに説明しようとしたんだけど、お父さんは気が立っていて、耳を傾けてくれなかったの」

 だけれども、女の子は忘れることができなかった。
 次に彼女が父親を見た時(に会った時)、女の子はさっと両手を背に回し赤みが頰にさっと差したのだった。

 隣はマクドナルド家だった。
 五人の子供がいた。
 キザイヤは、夕方、野菜畑の垣根から覗くと、五人の子供たちが鬼ごっこをしているのが見えた。
 父親は、赤ん坊のマックを肩に乗せて、そして二人の小さな女の子は父親の上着の裾に捕まっていて、花壇の周りを駆け回っていて、そして身をよじって笑っていた。
 ある時のことだけれども一度、女の子は、男の子たちがホースを父親に向けているのを––––えっお父さんにホースを向けるなんて–––目にした。そうして父親の方はと言えば、男の子たちをひっ捕まえて、くすぐって、とうとう男の子たちはしゃっくりが出始めてしまった、ことを目にした。

 女の子は、違う父親もいるのだ、と考えたのは、その時だった。


【重要表現】
23:"What did Jesus make fathers for ?"
fathersと複数形になっているのは、キザイヤが父親を十把一絡げにしているから。
11:Then it was she decided there were different sorts of fathers.
It is then that ~ のthenをさらに強調した。まさにその時だった。
十把一絡げだった父親 → いろんな父親がいることがわかった。